数ヶ月前から気になっていた寝室の壁のひび割れ。長さは二十センチほどで、幅もごくわずか。管理会社に相談したら、おそらく壁紙の下地の問題で、構造上は心配ないとのことでした。ただ、一度気になるとどうしても目についてしまい、どうにかしたいという気持ちが募っていました。業者に頼むほどでもないし、いっそ自分で直せないものか。そう思い立ち、週末にホームセンターへ向かいました。補修用品コーナーには、驚くほどたくさんの種類のパテやコーキング材が並んでいます。壁紙用、内壁用、亀裂補修用など、用途別に分かれていて初心者にも分かりやすいです。私が選んだのは、チューブタイプで手軽に使えるアクリル系の壁用コーキング材と、それをならすための小さなヘラがセットになった商品。色は壁紙に合わせてホワイトを選びました。家に帰り、早速作業開始です。まずは、ひび割れの周りを固く絞った雑巾で拭いて、ホコリや汚れをきれいに取り除きます。次に、ひび割れの周囲に塗料がはみ出さないように、マスキングテープで養生しました。このひと手間が、仕上がりのきれいさを左右する重要なポイントだと説明書に書いてありました。そして、いよいよコーキング材の充填です。チューブの先をひび割れに当て、ゆっくりと均一な力で押し出しながら、亀裂を埋めていきます。少し多めに盛り付けるのがコツのようです。充填が終わったら、付属のヘラを使って、余分なコーキング材をそっと取り除きながら表面を平らにならします。この作業が意外と楽しく、職人になったような気分でした。最後にマスキングテープを剥がし、あとは乾燥させるだけ。説明書によれば完全に硬化するまで二十四時間かかるとのこと。翌日、どきどきしながら確認してみると、あれほど気になっていたひび割れがどこにあったのか分からないほど、きれいに消えていました。想像以上の仕上がりに、思わずガッツポーズです。もちろん、大きなひび割れや構造に関わるものは専門家に任せるべきですが、今回のような軽微なものであれば、DIYでも十分対応できると分かりました。費用も千円程度で済み、何より自分の手で住まいをメンテナンスしたという満足感は格別でした。
簡単な壁のひび割れを自分で補修してみた