壁に傷や穴ができてしまった時、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが「壁紙補修シール」かもしれません。しかし、DIYの世界には、様々な傷に対応するための多様な補修道具が存在します。シール、パテ、そしてコーキング。これらの道具の特性を正しく理解し、傷の状態に応じて賢く使い分けることができれば、あなたはもうDIY初心者ではありません。プロ級の仕上がりを目指せる、補修道具の使い分け術を解説します。まず、「壁紙補修シール」が最も輝くのは、どのような場面でしょうか。シールの長所は、何と言ってもその「手軽さ」と「デザイン性」です。表面的な引っかき傷や、落ちない汚れ、小さな破れなどを、上から貼るだけで簡単に隠すことができます。補修と同時に、木目調やレンガ調のシールでデザイン性を加えることも可能です。次に、「壁紙用補修パテ」の出番です。パテの役割は、「穴や凹みを埋める」ことです。画鋲の抜き跡や、ネジを外した後の穴、あるいは物をぶつけてできてしまった凹みなど、シールだけでは隠しきれない「段差」がある傷には、パテが不可欠です。穴にパテを充填し、乾燥させてからサンドペーパーで平らにすることで、壁をフラットな状態に戻すことができます。ただし、パテ自体には色がないため、補修後には上から塗装をしたり、補修シールを貼ったりする必要があります。そして、「ジョイントコーク(コーキング剤)」は、特定の分野のスペシャリストです。その得意分野は、「隙間を埋める」こと。壁紙と壁紙の継ぎ目が経年劣化で開いてしまった場合や、壁と天井、あるいはドア枠との間にできた隙間を埋めるのに絶大な効果を発揮します。チューブから直接隙間に充填し、濡れた指やスポンジで余分な部分を拭き取るだけで、驚くほどきれいに仕上がります。これらの道具は、単体で使うだけでなく、合わせ技で使うことで、その真価を発揮します。例えば、「パテで穴を埋め、平らにした上から、補修シールを貼る」。これが、深い傷を完璧に補修するための王道パターンです。傷をよく観察し、最適な道具を選び出す。その的確な判断力が、あなたのDIYスキルを次のレベルへと引き上げます。
壁の傷補修道具シールパテコーキングの賢い使い分け