マンションのリフォーム費用を考える上で、一つの指標となるのが「専有面積あたりの単価」です。一般的には一平方メートルあたり十万円から二十万円程度がボリュームゾーンとされていますが、これには大きな幅があります。例えば、六十平方メートルのマンションをフルリフォームする場合、六百万円から一千二百万円程度の予算が必要になる計算です。なぜこれほど差が出るのかというと、面積が同じであっても、水回りの設備の数や配置、内装のグレードが異なるからです。面積が狭いからといって費用が極端に安くなるわけではありません。キッチンや風呂といった高額な設備は、面積に関わらず一定の費用がかかるため、狭い物件ほど平方メートルあたりの単価は高くなる傾向にあります。逆に、八十平方メートルを超えるような広い物件では、一部屋あたりの床面積が広くなるため、設備費の割合が相対的に下がり、単価が安定してきます。また、間取りの変更が費用の増減に大きく影響します。壁を壊して広いリビングを作る際、単に壁を取り払うだけでなく、床の段差を解消したり天井の照明配線をやり直したりする必要があるため、面積以上のコストを感じることがあります。特に、和室を洋室に変更する場合は、畳の処分費だけでなく、下地の高さを調整する大工作業が加わるため、注意が必要です。最近では、テレワークの普及により書斎を新設するリフォームも増えていますが、こうした小規模な増改築も、電気配線の増設やエアコンの移設などが伴うと、面積の割に費用が嵩む原因となります。また、費用相場を調べる際には、物件の立地も考慮しなければなりません。都心部では職人の駐車代や交通費が高く、地方に比べて施工費が上乗せされることが多いからです。さらに、リフォームローンの金利や事務手数料も、総支払額を左右する要素となります。面積を基準にした概算費用を把握することは大切ですが、それはあくまで入り口に過ぎません。実際の見積もりでは、窓の数、ドアの枚数、コンセントの増設位置といった細かな積み重ねが、最終的な金額を形成していきます。自分のマンションの広さを基に、どのような生活を送りたいのかを具体化し、それに対する適切な投資額を見極めることが、失敗しないリフォームの第一歩となるでしょう。
専有面積で変わるマンションリフォーム費用の目安