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老後の備えにトイレをリフォームして感じた安心感
六十代を迎え、これから先の暮らしを考えた時に一番に思い浮かんだのが、毎日何度も使うトイレの安全性でした。これまでのトイレは昔ながらのタンク付きで、段差もあり、冬場は凍えるような寒さでした。そこで思い切ってバリアフリーを意識したリフォームを決意しましたが、これが私の生活に驚くほどの安心感をもたらしてくれました。まず一番大きな変化は、入り口の段差をなくし、開き戸をスライド式の引き戸に変更したことです。これにより、万が一将来足腰が弱くなった時でも車椅子での出入りがスムーズになりますし、何より扉を開ける時の前後の動きがなくなったことで、日常の動作が格段に楽になりました。また、便器の両脇にはしっかりと体重を支えられる手すりを設置しました。今はまだ必要ないかと思っていましたが、立ち座りの動作をサポートしてくれる手すりがあるだけで、膝や腰への負担が驚くほど軽減されることを実感しています。さらに、タンクレストイレに変更したことで足元の空間が広がり、掃除がしやすくなっただけでなく、狭い空間特有の圧迫感も解消されました。以前はタイル貼りだった床を、滑りにくく温かみのある素材に変更し、同時に人感センサー付きの足元灯を設置しました。これで夜中の暗い時間帯でも、足元をしっかり確認しながら安心して利用できるようになりました。最近のトイレは暖房便座の性能も高く、以前のようなヒートショックの不安も解消され、冬の夜でも苦にならなくなりました。リフォームにかかった費用は決して安くはありませんでしたが、そこから得られた精神的なゆとりと身体的な楽さは、何物にも代えがたい価値があります。自分自身の健康を維持し、自立した生活を長く続けるために、トイレという最もプライベートな空間を整えることは、老いへの不安を希望に変える素晴らしい決断だったと心から感じています。将来的な介護を見据えた手すりの設置や、収納スペースの拡充なども含め、十二十年先まで見越したプランニングを行うことが、後悔しないトイレリフォームへの第一歩となります。