どの家にも一つはある、客間として作られたものの、今ではほとんど使われなくなってしまった和室。我が家も例外ではなく、リビングの隣にある六畳の和室は、いつしか子供の遊び道具や季節用品が置かれるだけの、薄暗い物置部屋と化していました。リビングと襖一枚で繋がっているのに、そこだけが孤立した空間。このデッドスペースを何とか有効活用できないか、家族で話し合った結果、リビングと一体化したモダンな「小上がり」へとリフォームする計画が持ち上がりました。私たちの理想は、リビングの延長として気軽に使える開放感を持ちながらも、畳の上でごろりと横になれるようなくつろぎも提供してくれる、多目的な空間です。リフォーム会社との打ち合わせで、まず決めたのはリビングとの仕切り方です。既存の襖と鴨居はすべて撤去し、二つの部屋を隔てていた壁も可能な限り取り払うことで、視覚的な一体感を生み出すことにしました。そして、元の和室部分の床をリビングより三十センチほど高くして、小上がりスペースを造成します。この段差が、空間を緩やかにゾーニングする役割を果たし、リビングにいながらも、どこか特別な「間」を感じさせてくれるのです。小上がりの床には、伝統的な縁のある畳ではなく、縁なしの正方形の琉球畳を選びました。色は、若草色ではなく、モダンなインテリアにも馴染みやすいチャコールグレーです。このシックな色合いが、空間全体をぐっと引き締めてくれます。そして、小上がりの魅力は見た目だけではありません。段差の部分を利用して、大容量の引き出し収納を三杯造作してもらいました。これまでリビングに溢れていた子供のおもちゃや雑誌、日用品などをすべてここに収納できるため、リビングはいつもすっきりとした状態を保つことができます。小上がりの奥の壁は、アクセントとして濃いグレーのクロスを貼り、天井には間接照明を仕込みました。夜、この照明だけを灯すと、小上がり全体が柔らかな光に包まれ、まるで舞台のような幻想的な雰囲気が生まれます。完成した小上がりスペースは、私たちの想像をはるかに超える、素晴らしい場所になりました。日中は、子供たちが畳の上で遊んだり、宿題をしたりする最高のプレイスペースに。私が洗濯物をたたんだり、ちょっと腰掛けて休憩したりするのにも最適です。