我が家のリビングは、ごくありふれた洋室でした。白い壁紙に明るい色のフローリング、ありきたりのシーリングライト。家族が集まる大切な場所であるはずなのに、どこか落ち着かず、無機質な印象がずっと気になっていました。子供も少しずつ大きくなり、もっと心から安らげる、質の高い空間で家族の時間を過ごしたい。そんな思いが募り、思い切ってリビングのリフォームを決意しました。私たちが目指したのは、日本の伝統的な美しさと現代的な快適さが融合した「和モダン」な空間です。インターネットや雑誌でたくさんの事例を見るうちに、その洗練された佇まいと、どこか懐かしい温かさに強く惹かれていきました。リフォーム会社との打ち合わせでは、私たちの抽象的なイメージを熱心に伝えました。求めているのは、旅館のような非日常感がありながら、日々の暮らしに寄り添う心地よさである、と。担当の設計士さんは、私たちの思いを汲み取り、素晴らしいプランを提案してくれました。まず、床は既存のフローリングの上に、温かみのある無垢のウォールナット材を重ね張りすることに。深い色合いの木材が、空間全体に落ち着きと重厚感をもたらしてくれるはずです。壁の一面には、アクセントとしてグレーの珪藻土を塗ることを提案されました。左官職人が手作業で仕上げる壁は、ビニールクロスにはない独特の陰影と質感を生み出し、部屋の表情を豊かにしてくれるとのこと。そして、空間の印象を決定づける照明計画には、特にこだわりました。天井の真ん中に一つだけあったシーリングライトは撤去し、複数のダウンライトを分散配置することで、必要な場所に必要なだけの光を届ける多灯照明に。さらに、壁際には間接照明を仕込み、夜には壁を柔らかく照らし出すことで、くつろぎの雰囲気を演出する計画です。工事が始まり、日に日にリビングの姿が変わっていく様子は、期待と興奮の連続でした。そして約二週間後、ついに新しいリビングが完成しました。ドアを開けた瞬間、ふわりと木の香りが鼻をくすぐり、目に飛び込んできたのは、以前とは全く別世界の、静かで美しい空間でした。ウォールナットの床はしっとりと光を反射し、珪藻土の壁は優しい陰影を作り出しています。夜、間接照明だけを灯すと、まるで高級旅館のラウンジにいるかのような、上質な時間が流れます。新しいリビングは、単に見た目が美しくなっただけではありませんでした。
我が家のリビングが和モダンな癒やし空間へ