マンションのリフォーム費用を算出する際、最も多く用いられる指標が専有面積に基づいた計算です。一般的に、内装を全面的にやり直すフルリフォームの相場は、一平方メートルあたり十万円から二十万円程度とされています。例えば、六十平方メートルの一般的な三LDKであれば、六百万円から一千二百万円程度が予算の目安となります。なぜこれほど幅があるのかというと、面積が同じであっても、水回りの設備の数や質が異なるからです。実は、リフォームの単価は面積が狭いほど割高になる傾向があります。キッチンや風呂といった高額な設備は、面積に関わらず一定の費用がかかるため、狭い住戸ほど設備費の割合が高くなるからです。逆に、面積が広い住戸では、一部屋あたりの床や壁の面積が増えるため、平米あたりの単価は安定してきます。構造的な要因も相場に影響を与えます。壁式構造のマンションは、抜けない壁があるため間取りの自由度が低く、結果として解体費や補強費が抑えられ、相場が低くなることがあります。一方、ラーメン構造のマンションは、柱と梁で支えられているため間取りを自由に変えられますが、その分大掛かりな工事になりやすく、相場が高くなる傾向があります。内装材の選択も大きな分岐点です。一般的な合板フローリングを、天然木の無垢材に変更するだけで、材料費と工賃を合わせて数十万円の差が出ます。また、マンションリフォーム特有の経費として忘れてはならないのが、管理組合への申請や近隣への挨拶といった現場管理費です。これは面積に比例して増えるものではありませんが、全体の予算の五パーセントから十パーセント程度を占めるのが一般的です。相場を理解する上で大切なのは、提示された見積もりが自分の住戸の面積に対して妥当かどうかを判断する眼を養うことです。単に総額だけを見るのではなく、床面積あたりの単価や、設備ごとの費用配分を相場と比較することで、どこに無駄があるのか、あるいはどこにこだわっているのかが明確になります。
専有面積で考えるマンションリフォームの費用相場と仕組み